GIAのGübelin宝石プロジェクト
GIAは、Gübelin宝石コレクションの中から400以上の重要な宝石を研究しており、この宝石学的情報の宝庫を共有することに全力を尽くします。この研究は、すべての学生、宝石鑑別士、研究員にとって貴重なリソースとなります。
詳細化学的に純粋なベリルは無色ですが、微量元素によって緑、青、ピンク/赤の色が生まれます。最も重要な種類はグリーンエメラルド(クロムやバナジウムで着色)で、続いてブルーアクアマリンとイエローヘリオドール(両方とも鉄で着色)と、ピンクモルガナイト(マンガンで着色)です。カボションとして形作られたベリルの中にはアステリズム(スター型模様の反射)やシャトヤンシー(反射光内の「キャッツアイ」)を現すものもあります。
ルビーとサファイア (通常はブルーですが、他のあらゆる色もあります) は、数千年も昔から最も重要なカラーストーンとして珍重されています。鉱物コランダムのこれらの色の品種は、これまで東南アジアや中央アジアが原産地とされていましたが、最近では東アフリカでも産出されています。また、稀少で耐久性に優れており、見事な色のため非常に人気のある宝石です。コランダムの宝石は、配向した鉱物インクルージョンがあるためアステリズム(星彩効果)とシャトヤンシー(猫目効果)を示すことがあり、異なる光源で観察すると色が変化する場合もあります。
深い赤の宝石と思われることが多いガーネットは、青以外の全ての色 - 黄色、オレンジ、緑や茶色でもありえます。6つの一般的なガーネット鉱物、アルマンディン、アンドラダイト、グロシュラー、パイロープ、スペサルティンとウバロバイトや、いくつかの希少種があります。宝石種には、緑色のデマントイドとツァボライト、オレンジがかった赤色のヘソナイト、赤色またはピンク色のロードライトなどがあります。ガーネットは、ブリリアンスと魅力的な色の他に、アステリズム(星型模様の反射)やシャトヤンシー(反射光による「キャッツアイ」)、タイプの異なる光の下で見ると現れる変色効果といった、光学的現象を示すものもあります。
赤、ピンク、青が主ですが、ほぼ全ての色で見つかるスピネルは豊富さ、手頃な価格と魅力のため人気がある宝石です。レッドスピネルはよくルビーに間違われます。いくつかのスピネルの中には白熱灯と蛍光灯の下で交互に見ると、アステリズム(スター型模様の反射)やシャトヤンシー(反射光内の「キャッツアイ」)を現すものもあります。
トルマリンは非常に複雑な化学組成を有し、このグループ内で1ダース以上の鉱物種が認められています。様々な化学組成により広範囲の色が生じます。エルバイトのトルマリンの数多くの種類の中には、バーデライト(グリーン)インディコライト(青)、ルベライト(赤)などがあります。トルマリンの標本には、複数の色を表すものもあります。光学的効果には、多色性(宝石を回転させた際の色の変化)とキャッツアイ効果(反射光による「猫の目」)が含まれます。
化学的に純粋な場合、ジルコンは無色ですが、一般的に黄褐色の茶色です。また、赤、青、紫、緑でも存在します。その高いブリリアンスと分散(度)のため、無色ジルコンは時折、ジュエリーではダイヤモンドの代用品として用いられてきました。
Edward Gübelin博士によって集められたコレクションの中には、世界中の産地からの珍しい宝石が多数あります。これらの宝石に関する文書は、時折ジュエリーで使用されるものから、かなり稀少なものや元となる適切な素材がないためめったにファセットカットされないものまで、様々な宝石に関する情報を提供します。