2月の誕生石
2月生まれの方の誕生石はアメシストです。アメシストは、何千年も人々を魅了しているクォーツの紫色の変種です。ライラックから深い紫色の色相を呈するアメシストは、多くの形やサイズにカットされます。また、採鉱されるのは勿論のこと、ラボで製造することもできます。2月の誕生石であるアメシストは、ヨーロッパやアジア全域の王室のコレクションでよく見かけられます。現在では、多くの消費者の手に届くようになりました。あなたが思いを寄せる男性または女性のために、それともご自身への最高のプレゼントとして、素晴らしいアメシストを購入してみませんか。2月生まれでしたら、アメシストを身に着けてご自分に対する自信そして内に秘めた強さを象徴してみてはいかがでしょうか。
誕生石「アメシスト」
誕生石「アメシスト」の意味 & 歴史
アメシストという名前は、飲み過ぎたときの治療を意味するギリシア語のアメシストス(amethystos)に由来し、これがこの紫の誕生石に長いこと伝えられている利点です。そのワインのような色合いから、この宝石は初期ギリシャの伝承に登場するワインの神、バッカスに関連付けられました。 また、アメシストは身に付ける者の思考をクリアにして、戦闘や商売の場で理性をもってすばやく対処できる力を与えると信じられています。ルネサンス期のヨーロッパでは、情熱にたぎる恋人を落ち着かせると考えられていました。
アメシストは伝統的に結婚6周年に贈られる宝石です。結婚祝いの場でアメシストを身に付けたり、2月の誕生石として着けたりすれば、あなたも王室の仲間入りとなるでしょう。女帝キャサリン(ロシア女王エカチェリーナ2世、1729-1796年)はアメシストが大のお気に入りで、アメシストのネックレス、イヤリング、その他の装飾品で着飾っていました。ジュエリー通として有名なウィンザー公爵夫人のWallis(1896-1986年)は、1953年のベルサイユでの祝賀会で豪華なCartier(カルティエ)デザインのアメシストのビブ(胸当て)ネックレスを身に付けた時に、強く印象を残しました。
アレキサンダー大王が君臨していた時代から始まり、王族の人々は常にこの2月の誕生石の深い紫色の色相を称えてきました。また、アメシストを身に着けると強くなり、賢明になるという神秘的な力があるという伝承も伝えられています。2月の誕生日を祝福されるとき、アメシストを身に着けてご自分に対する自信そして内に秘めた強さを象徴してみてはいかがでしょうか。
アメシストの原産地
ブラジルに大きな鉱床が発見される19世紀まで、アメシストの主な原産地はロシアでした。かつてルビーやエメラルドのように稀少な宝石であったアメシストは、突然豊富に発見されるようになりました。現在、アメシストの最も重要な原産地は、アフリカと南米です。 ブラジルは依然として主要な原産地であり、特に最南端にある州、リオ・グランデ・ド・スルは特に生産性の高い地域です。しかし、ここで採鉱されるアメシストの原石は、他の国で発見されるアメシストと比べて色が明るめであるのが特徴です。ブラジル産アメシストは、中に人が立つことができるくらい大きな中空で表面に結晶の並んだジオード(晶洞)を形成することがあります。
ボリビアのAnahí(アナイ)鉱山は、アメシストのもうひとつの主な原産地です。パンタナール湿地に隠れたAnahí(アナイ)鉱山は魅力的な伝承に包まれています。そこは1600年代にスペインのある征服者により発見され、彼がアナイ(アヨレオ族出身の姫)と結婚した時に花嫁の持参金として与えられた土地でしたが、その後3世紀の間忘れ去られ、1960年代に再発見されました。また、Anahí(アナイ)鉱山は、アメトリンと呼ばれる二色の珍しいアメシストシトリンの結晶の原産地としても宝石の世界で有名です。
アフリカでは、ザンビアのKariba(カリバ)鉱山が、世界最大のアメシストの原産地の一つとなっています。 ここで採鉱されるアメシストの多くは、豊かに飽和した色で、素晴らしい品質です。
また、米国では、アメシストはアリゾナ州フェニックスからわずか46マイル(74km)の場所で発見されています。Four Peaks(フォーピークス)鉱山は、Mazatzal(マサトサル)山脈の最も起伏の激しい場所の高地にあります。この鉱山は遠隔地にあり、夏の気温が高く、水と電力が乏しいため、採鉱条件は非常に困難なものとなります。しかし、起伏が激しく、ガラガラヘビが出没するこの乾燥地帯では、非常に高級なダークパープルとパープリッシュレッドのアメシスト結晶が発見されることがあります。
誕生石「アメシスト」のお手入れ & クリーニング
アメシストはモース硬度スケールの7です。これは、リングや他のジュエリーとして日常の使用にも適していることを意味しますが、時間の経過と共に摩耗するため再研磨が必要となることがあります。この2月の誕生石は、ルビーやサファイア、ダイヤモンドのような硬い宝石よりもダメージを受けやすく、これらの石の近くにアメシストを置くと傷がついてしまう場合があります。
加熱処理は、天然アメシストの色の改善、また市場価値を高める最も一般的な技術です。加熱処理は淡いアメシストの色を濃くすることはできませんが、非常に濃いアメシストの色を明るく綺麗な色にすることはできます。また、アメシストの好ましくない茶色がかったインクルージョンを取り除くことができる場合もあります。アメシストの中には熱処理でイエロー(シトリン)に変わるものもあります。
アメシストを加熱処理すると、カラーは永久的な変化になります。しかし、強い熱に充てると、通常より少々もろくなることがあるので、尖ったファセットカットの角や鋭いエッジを傷つけないように配慮する必要が出てきます。また、過剰な熱は色を全体的に取り除いてしまうこともあり、長期的に強い光にさらされると色が褪せるアメシストもあることにご注意ください。カラーは通常の使用では安定していますが、ビーチで毎日身に付ける宝石ではありません。
アメシストのジュエリーは、超音波クリーナーで洗浄することができますが、スチームクリーニングはおすすめできません。低刺激の石鹸で柔らかいブラシを使うことは最も安全です。
2月の誕生石を購入する時、合成アメシストに出会うこともあるでしょう。天然アメシストに対して化学的および物理的に同じ成分を持つ合成アメシストは、1970年代から市場で出回っています。場合によっては、高度な宝石学的検査をせずに天然アメシストを合成アメシストから区別するのは非常に困難なことがあります。GIAのラボでは違いをお伝えできますが、ジュエリー業界の多くが検査を希望するというわけではありません。それは、あまり高価ではない宝石の起源を特定するには費用と時間がかかるからです。そうであっても、業者は宝石が天然か合成か消費者に伝えることが必須です。
アメシストは何世紀にもわたり、王や女王を魅了してきました。この最高の贈り物を2月が誕生日のあなたの愛する人にご購入する際のヒントがお分かりになられたと思います。簡単なヒントとしては、次回のショッピングの際にアメシスト購入ガイドをご覧ください。